
要点
伏せ止めは、2目編んだら、左針を使って1目めを2目めにかぶせ、右針からはずします。もう1目編んではかぶせる、をくり返し、右針に1目だけ残ったら、約15cmの糸端を残して糸を切り、最後の輪に通します。端がよく伸びるよう、ゆるめに編むのがコツです。
伏せ止めは、編み終わりを仕上げる方法です。アメリカのパターンでは「bind off」、イギリスのパターンでは「cast off」と呼ばれます。針から目をはずしながら、それぞれの目を隣の目とつないでいくので、編み地がほどけなくなり、上端にきれいな鎖状の縁ができます。平らに編む作品のほとんどは最後に伏せ止めをしますし、袖ぐりやボタンホールのように、形を作るために編み地の途中で目を伏せることもあります。途中で目を伏せることは「伏せ目」とも呼ばれます。
この記事で紹介する基本の伏せ止めは、アメリカ式でもフランス式でも同じやり方です。
用意するもの
- 編みかけの編み地:すべての目が左針にかかり、編み糸(糸玉につながっている糸)が段の始めにある状態にします。
- 右針:これまで編んできた針、または1〜2号太い針を使います(下記参照)。
- はさみととじ針:とじ針は、糸始末に使う、先の丸い大きな針です。
表目の伏せ止めのやり方
- 1目めを表目で編みます。
- 2目めを表目で編みます。右針に2目かかった状態になります。
- 左針の先を、先に編んだ目(右針の先から遠いほうの目)の手前側に、左から右へ入れます。
- その目を2目めにかぶせて、右針の先からはずします。これで1目伏せ止めができ、右針には1目が残ります。
- 左針から次の目を表目で編みます。右針には、また2目かかっています。
- 左針が空になり、右針に1目だけ残るまで、3〜5をくり返します。
リズムがつかめたら、「1目編んで、かぶせる。1目編んで、かぶせる」のくり返しです。
最後の目の止め方
最後の輪を止めることを、英語では「fasten off」と呼びます。
- 右針に1目残ったら、約15cmの糸端を残して編み糸を切ります。
- 最後の輪をそっと上へ引いて大きくし、針を抜きます。
- 糸端を輪に通します。
- 糸端をしっかり引いて、輪を閉じます。
これで端はほどけません。糸端はひとまず垂らしておき、端の仕上がりに満足してから糸始末をしましょう。
裏目の伏せ止めと、目なりの伏せ止め
目なりに伏せ止めをするとは、自分のほうを向いた目の見た目どおりに編みながら伏せることで、端がその下の編み地とそろいます。かぶせる動きはいつも同じで、かぶせる前に編む目の種類だけが変わります。
裏目の伏せ止め
- 糸を手前に置き、最初の2目を裏目で編みます。
- 左針の先を、右針の最初の目(先端から遠いほうの目)の手前側に、左から右へ入れます。
- その目を2目めにかぶせて、針からはずします。
- 次の目を裏目で編みます。
- 段の終わりまで2〜4をくり返し、最後の目を前の手順と同じように止めます。
ゴム編みを目なりに伏せ止めする
- 最初の2目を、見た目どおりに編みます。Vの字の目は表目で、こぶの目は裏目で編みます。
- 1目めを2目めにかぶせて、右針からはずします。
- 次の目に合わせて、糸を針先のあいだから移します。表目なら向こう側へ、裏目なら手前へ移します。
- 次の目を、見た目どおりに編みます。
- 段の終わりまで2〜4をくり返し、最後の目を止めます。
ゴム編みを目なりに伏せ止めすると、端がよく伸び、表目と裏目の列が縁まですっきりつながります。袖口や襟ぐりなど、伸びが必要な縁では、これが大切です。なお、とじ針を使って止める「ゴム編み止め」は、これとは別の方法です。
どの伏せ止めを使う?
| 編み地 | 伏せ止めのしかた |
|---|---|
| ガーター編み | 表目で伏せる |
| メリヤス編み(表側を見ているとき) | 表目で伏せる |
| メリヤス編み(裏側を見ているとき) | 裏目で伏せる |
| 1目ゴム編み・2目ゴム編み | 目なりに伏せる:表目は表目で、裏目は裏目で |
パターンで伏せ止めの方法が指定されているときは、そちらに従いましょう。
伏せ止めをゆるめに仕上げるコツ
伏せ止めの端は、その下の編み地より伸びが少なくなります。きついと端が引きつれて縮み、袖口や襟ぐりが十分に伸びず、着るときに窮屈になることがあります。次の4つの習慣で、ゆったり仕上げましょう。
- 太い針を使います。 編むのに使った針より1〜2号太い右針で伏せ止めをします。たとえば8号(4.5mm)で編んだなら、9号か10号を使います。替えるのは右針だけで大丈夫です。
- 1目ごとに糸を引かないこと。 前の目をかぶせる前に、新しい目が自然な大きさのままでいられるようにします。
- 目は針の軸で作ります。 どの目も、細い先端ではなく、針の太さが一定の部分で編みます。
- ときどき確かめます。 少し伏せたら、伏せ止めした端をそっと伸ばしてみます。すぐ下の編み地と同じくらい伸びれば大丈夫です。
糸始末のしかた
どの作品にも、作り目の糸端と伏せ止めの糸端、少なくとも2本の糸端があります。糸始末をすると糸端が隠れ、ほつれてくるのを防げます。
- 糸端をとじ針に通します。
- 編み地の裏側が、自分のほうを向くようにします。
- 端や目の並びに沿って、約5cmのあいだ、いくつかの目のこぶの下にとじ針をくぐらせます。
- 折り返して逆方向に少しくぐらせ、糸端を固定します。
- 編み地をそっと伸ばして、通した糸をなじませます。
- 編み地を切らないように気をつけながら、糸端を編み地のきわで切ります。
ガーター編みは両面が同じ見た目なので、目立たないほうの面を選んで糸始末をしましょう。
伏せ止めのよくあるまちがいと直し方
端がきつすぎる
こんなサイン:伏せ止めした端が、その下の編み地より幅が狭い、引きつれている、ほとんど伸びない、といった状態です。
直し方:まだ糸始末をしていなければ、伏せ止めをほどきます。最後の輪から糸端を引き抜き、その輪を針に戻して、糸をそっと引きます。目がほどけて自由になるたびに、針に戻していきます。そのあと、1〜2号太い針で、もう一度伏せ止めをします。
伏せる目数をまちがえた
パターンでは、段の始めに決まった目数を伏せてから続きを編むように指示されることがよくあります。たとえば「6目伏せ目をし、残りを表目で編む」といった具合です。目数は、編んだときではなく、かぶせたときに数えます。6回かぶせたあと、右針には1目が残っています。この目は、まだ伏せられていません。段の残りの最初の1目なので、そのあとは左針に残っている目だけを編みます。
最後の目の角が飛び出してしまう
最後に伏せた目が、角で小さくゆるくとがって飛び出すことがよくあります。最後の輪を大きくして止めるうえに、その上にかぶせる目がないためにできるものです。きれいに整える簡単な方法を2つ紹介します。
- 最後の2目を2目一度に編む。左針に2目残ったら、表目を編むように2目に一度に左から右へ右針を入れ、1目として編みます。いつもどおり前の目をかぶせてから、最後の目を止めます。角の輪が1つ減るので、端がより平らに落ち着きます。
- 糸端で整える。最後の目を止めたら、糸端をとじ針に通し、角のすぐ下の側面に通して、とがりが端の線になじむまで、そっと引きます。そのあと、いつもどおり糸始末をします。
次に学びたいこと
作品を仕上げられるようになったら、いよいよ本当の最初の作品に挑戦する準備ができました。初心者向けの棒針編み作品で、無理のない順番のアイデアをご覧ください。書かれた指示を自信を持って追えるように、編み図・パターンの読み方もどうぞ。一歩ずつ学べる講座は、ライブラリーにそろっています。
よくある質問
伏せ止めと「bind off」「cast off」は同じものですか?
はい。アメリカのパターンでは「bind off」、イギリスのパターンでは「cast off」と呼ばれ、どちらも目がほどけないように止めることを指します。英文パターンでは「BO」と略されることもあります。
伏せ止めの端がきつくなってしまうのはなぜですか?
伏せ止めの端は、その下の編み地より伸びが少なく、1目ごとに糸を強く引くと、さらにきつくなります。編むのに使った針より1〜2号太い右針で伏せ止めをし、どの目もゆったり編みましょう。
伏せ止めは表目と裏目、どちらで編めばいいですか?
目なりに、つまり目の見た目どおりに編みながら伏せます。ガーター編みやメリヤス編みの表側なら表目で、裏側なら裏目で、ゴム編みなら表目は表目、裏目は裏目で編みながら伏せていきます。
伏せ止めの最後の目はどう止めますか?
右針に1目残ったら、約15cmの糸端を残して糸を切ります。最後の輪を少し大きく引き上げて糸端を通し、糸端をしっかり引いて輪を閉じます。
伏せ止めはほどけますか?
はい、糸始末をする前ならほどけます。最後の輪から糸端を引き抜き、その輪を針に戻して糸をそっと引くと、伏せ止めが一目ずつほどけていくので、自由になった目を順に針に戻します。
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