
要点
まずはガーター編みのふきん、次にガーター編みのマフラー、それから輪針で輪に編むスヌードと帽子、そのあとに簡単なブランケット用のパーツと指なし手袋へと進みましょう。新しい玉への糸のつなぎ方、ゴム編み、減らし目など、作品ごとに新しい技術が1つか2つずつ加わります。これらに慣れたら、靴下やシンプルなトップダウンのセーターが、次のすばらしい目標になります。
最初の作品にいちばん向いているのは、小さくて平らで、多少の失敗を許してくれるもの。そして、ひとつ前の作品では覚えなかったことを、それぞれ教えてくれるものです。下の順番どおりに進めれば、編み物の核となる技術を一つずつ身につけながら、どの段階でも役に立つものが仕上がります。
最初のパターンの選び方
次のようなパターンを探しましょう。
- 表目と裏目だけで、ガーター編み(すべての段を表目)か、メリヤス編み(表目の段と裏目の段を交互)で編むもの
- 中くらいの太さの糸(日本ではおおよそ並太、海外ではworstedやaranと表示されることが多い糸)を使うもの
- 最初から最後まで、1種類の太さの針で編めるもの
- 正方形や長方形のようなシンプルな形で、形作りがほとんどないもの
- 「初心者向け」「やさしい」などと表示され、わかりやすい編み方が書かれているもの
編み込み模様、なわ編み、レースは、あとにとっておきましょう。どれも心から楽しめるものですが、基本が自然にできるようになってからのほうが楽しめます。編み図や略語に慣れていない方は、編み図・パターンの読み方を手元に開いておきましょう。
1. ふきん・ウォッシュクロス
一辺約20cmの、ガーター編みの小さな正方形です。
覚えられること:
- 作り目と伏せ止め
- 安定した、力の抜けた表目
- 段数の数え方(ガーター編みでは、畝1本が2段分です)
- 端をまっすぐに保ち、目数を一定に保つこと
- 糸始末(針を使って、糸端を編み地の裏側に隠すこと)
必要なもの:
- 中くらいの太さの糸1玉。吸水性があるので綿が定番ですが、まったくはじめての1枚なら、ウールやアクリルのほうが失敗を許してくれます
- 糸のラベルにすすめられている太さの針
- とじ針(大きな穴のあいた、先の丸い針)
無地の正方形が編めたら、角から編み始める斜めの正方形にも挑戦してみましょう。1段ごとに1目ずつ増やして広げ、そのあと減らして戻していくので、簡単な増し目と減らし目を覚えられます。
2. ガーター編みのマフラー
ガーター編みの細長い長方形で、幅はたいてい15〜20cmほどです。
覚えられること:
- たくさんの段にわたって、手加減を一定に保つこと。編み進めるうちに、編み目がだんだんそろってくるのがわかるはずです。それは欠点ではなく、上達のしるしです
- 新しい玉の糸のつなぎ方
- 編み地の長さのはかり方
必要なもの:
- 中くらいか、やや太めの糸(ウールか、やわらかなウール混)。必要な量はパターンに書かれています
- ラベルにすすめられている太さの針
- メジャーととじ針
端で新しい玉の糸をつなぐ方法
- 残りの糸がマフラーの幅の約4倍より短くなったら、編んでいる段を最後まで編みます。
- 古い糸を、約15cmの糸端を残して切ります。
- 新しい糸を、約15cmの糸端を端に垂らした状態で持ちます。
- 次の段の最初の数目を、新しい糸で編みます。
- 2本の糸端をそっと引いて、最初の目を引き締めます。
- マフラーが編み上がったら、とじ針で、それぞれの糸端を端に通して始末します。
編み地の途中で糸を結ぶのはやめましょう。結び目が表側に出てきてしまうことがあります。
3. 輪針でスヌード、そして帽子
まずは、形作りのない単純な筒のスヌード(筒状のネックウォーマー)から始めます。次に、トップの形作りが加わる帽子を編みます。
覚えられること:
- 輪編み:目を輪につなげ、編み地を返さずに、ぐるぐると編むこと
- 輪に編むメリヤス編み:すべての段を表目で編み、裏目の段はまったくありません
- 頭にフィットしてよく伸びる、2目ゴム編み(表目2、裏目2。英文パターンでは「k2, p2」)などのゴム編み
- トップの減らし目:左上2目一度(英文パターンでは「k2tog」)
- トップが細くなるにつれて、4本針・5本針やマジックループに切り替えること
必要なもの:
- 暖かくてよく伸びる、中くらいの太さのウールかウール混の糸
- 糸に合った太さの輪針:帽子には40cm、スヌードにはスヌードの周囲より少し短いもの。ゴム編み用に、1号細い針を指定するパターンもあります
- トップ用に、同じ太さの4本針・5本針のセット、またはマジックループ用の80cm以上の輪針
- 段の始まりを示すステッチマーカーと、とじ針
ねじれないように輪につなぐ方法
- パターンに書かれた目数を作り目します。
- 目を、針とコード全体に広げます。
- 作り目の下側の縁が、ぐるりと一周どこでも輪の中心を向いていて、コードに巻きついていないことを確かめます。
- 右針の先に、ステッチマーカーを通します。
- 左針の最初の目を、糸を引き締めながら編み、そのまま一周編み進めます。
トップの形を作るために、帽子のパターンでは、減らし目の段ごとに、等間隔に並んだ数か所で減らし目をします。たとえば「*k6, k2tog; rep from * to end」(表目6、左上2目一度を最後までくり返す)のあと、次の減らし目の段では「*k5, k2tog; rep from *」(表目5、左上2目一度をくり返す)というように、減らし目と減らし目のあいだの目数を、毎回1目ずつ少なくしていきます。残りの目が少しになったら糸を切り、とじ針で残った目に糸を通して、引き絞って閉じます。
4. シンプルなブランケット用のパーツ
同じ大きさの小さな正方形を何枚も編み、つなぎ合わせてブランケットにします。もっと早く仕上げたいなら、クッションカバーにしてもいいでしょう。
覚えられること:
- かのこ編み、ゴム編み、バスケット模様(表目と裏目の四角いブロックを交互に並べた模様)など、表目と裏目を組み合わせた新しい模様を少しずつ
- ゲージ(10cmあたりの目数と段数)を一定に保ち、どのパーツも同じ大きさに仕上げること
- ブロッキング:それぞれのパーツをぬらしたりスチームを当てたりして、最終的な大きさに平らに乾かすこと
- とじ合わせ:たとえば、ほとんど目立たないとじ方の「すくいとじ」(英語では mattress stitch)
必要なもの:
- パーツがそろうように、すべて同じ太さ・同じ素材の、中くらいの太さの糸。色ごとに、同じロットで足りる量を用意します
- 棒針1組
- メジャーととじ針
1枚1枚が1〜2回座れば編み上がる小さな作品なので、大きな作品でも、途中で気が重くなることがありません。
5. 指なし手袋
親指の穴があいた、手に着ける短い筒です。
覚えられること:
- 4本針・5本針やマジックループで、細い筒を編むこと
- 親指の穴の作り方:数段だけ往復に編んですき間を残す方法か、より立体的なパターンでは、ねじり増し目(英文パターンでは m1L・m1R)で親指のマチ(三角形に目を増やした部分)を作る方法
- 目を別糸に移して休ませ、あとで拾い直すこと
- 左右の1組を編むこと。1つめで何をしたかを正確にメモしておく習慣が身につきます
必要なもの:
- 細めか中くらいの太さの糸(英語圏でDKやworstedと呼ばれる太さ。日本ではおおよそ合太から並太くらい)。ウールかウール混
- パターンで指定された太さの4本針・5本針、または長い輪針
- ステッチマーカー、別糸、とじ針
編みながら手に着けて確かめられるので、サイズを合わせることへの、やさしい入門になります。
6. 次の目標:靴下や、シンプルなトップダウンのセーター
指なし手袋に慣れたら、もっと大きな一歩を踏み出す準備ができています。
靴下は、履き口から編む昔ながらの編み方で、ゴム編みの履き口、ヒールフラップ(かかとの後ろを覆う部分)、引き返し編み(段の途中で折り返して編み、カップ状の形を作る方法)でのかかと作り、マチの目の拾い方、つま先の減らし目、そしてメリヤスはぎ(英語では Kitchener stitch。つなぎ目の見えないはぎ方)でつま先を閉じる方法を覚えられます。靴下は細い糸と細い針で編むことが多く、針はたいてい2.25〜2.75mm(号数でおよそ0号〜2号)です。最初の1足を太めの糸(DKやworsted、日本ではおおよそ合太や並太)で編めば早く仕上がり、細い糸で編む前に、靴下の構造を理解できます。
シンプルなトップダウンのセーターは、たいていラグラン袖(首から脇の下まで、斜めの線で袖と身頃がつながったデザイン)で、襟ぐりから下へ向かってひと続きに編むので、とじはぎがほとんどありません。ラグラン線に沿った増し目、袖の目を別糸に休ませること、身頃と袖を輪に編むことが身につきます。そして何よりも、でき上がり寸法からサイズを選ぶことと、ゲージを合わせるための丁寧な試し編みが身につきます。上から編むので、編みながら試着もできます。
次の作品に進む準備ができたかどうかの見極め方
次へ進むのに、完璧な編み目は必要ありません。次のようなことができれば、準備はできています。
- 編み地を見て、表目(Vの字)と裏目(こぶ)を見分けられること
- どこまで編んだかわからなくならずに、目数と段数を数えられること
- 落ちた目を直したり、数目ほどいてまちがいを直したりできること
- 手加減がおおむねそろい、端がそれなりにまっすぐになっていること
- 前の作品を仕上げていて、次の作品が負担ではなく楽しみに感じられること
1つの作品で覚える新しい技術は、1つか2つにしましょう。新しい技術がいくつも一度に出てくるパターンなら、まずはもっと簡単なものを選ぶか、新しい技術を小さなスワッチで練習しておきましょう。
次に学びたいこと
作り目をする前に、初心者におすすめの毛糸のガイドで糸を選び、編み図・パターンの読み方にも慣れておきましょう。一歩ずつ解説した作品は、ライブラリーの本と講座でご覧いただけます。
よくある質問
初心者がいちばん簡単に編めるものは何ですか?
ガーター編みのふきんやウォッシュクロスです。表目だけで編む小さな四角で、すぐに編み上がり、作り目、表目、段数の数え方、伏せ止めが身につきます。
最初の作品にマフラーは向いていますか?
ガーター編みのマフラーは、1つめか2つめの作品にぴったりです。長さがあるので、先に小さなふきんを編んでおくと、早く完成の喜びを味わえ、始める前にもっと練習を積めます。
初心者は、いつ帽子に挑戦すればいいですか?
表目と裏目が楽に編めるようになり、平らな作品を1つか2つ仕上げたころです。帽子では輪編み、ゴム編み、減らし目を覚えるので、3つめの作品として自然なステップです。
靴下は初心者には難しいですか?
靴下は難しくはありませんが、細い針、細い糸、かかと、つま先のはぎ合わせなど、いくつもの技術を組み合わせて編みます。帽子と指なし手袋を編んだあとの目標にぴったりです。
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