
要点
いちばん覚えやすいのは、なめらかで撚りのある、中くらいの太さの毛糸です(Craft Yarn Councilの分類で4。worstedやaranと表示されることが多く、日本ではおおよそ並太)。素材はウール、ウール混、アクリルで、明るい単色を選びましょう。編み目がはっきり見え、手加減のむらを許してくれるほど伸びがあり、4.5〜5.5mm(およそ8号〜11号)の針で楽に編めます。
明るい単色の、なめらかで中くらいの太さの糸を、ウール、ウール混、アクリルの中から選びましょう。この組み合わせなら、一目一目がよく見え、手加減のむらを許してくれて、まちがいにも気づきやすく、ほどきやすくなります。ここでは、そんな糸をお店で見分ける方法と、必要な量をまちがえずに買うためのラベルの読み方を紹介します。
初心者にはどの太さの毛糸がいい?
糸の太さは、英語では「weight(重さ)」と呼ばれますが、これは毛糸玉の重さではなく、糸の太さのことです。アメリカの毛糸業界団体であるCraft Yarn Councilは、糸を番号つきの8つの分類に分けています。海外の毛糸の多くのラベルには、かせの形をした小さなマークの中に、その番号が書かれています。
| 番号 | 分類 | ほかに見かける呼び名 |
|---|---|---|
| 0 | Lace | lace |
| 1 | Super Fine | sock, fingering |
| 2 | Fine | sport, baby |
| 3 | Light | DK, light worsted |
| 4 | Medium | worsted, aran |
| 5 | Bulky | chunky |
| 6 | Super Bulky | super bulky, super chunky |
| 7 | Jumbo | jumbo |
英語圏では、イギリス式の呼び名で売られている糸も多くあります。よく見かけるのはDK(「double knitting」の略)で、おおよそLight(3)にあたります。aranはおおよそMedium(4)、chunkyはおおよそBulky(5)です。どれも、おおよその対応と考えてください。それぞれの分類には太さの幅があり、同じ呼び名の糸でも少しずつ違うことがあります。worstedとaranはどちらもMediumに入り、aranのほうが少し太めのことが多いです。
日本の毛糸は、極細・合細・中細・合太・並太・極太・超極太という呼び名で太さを表します。CYCの分類とぴったり重なるわけではありませんが、Medium(4)はおおよそ並太、Bulky(5)はおおよそ極太にあたると考えてよいでしょう。
最初の作品には、Medium(4)、日本の毛糸なら並太くらいの糸を選びましょう。4.5〜5.5mm(およそ8号〜11号)の針で編むのが一般的で、一目一目が見えるほどには大きく、楽に持てるほどには小さい太さです。Bulky(5)も良い選択で、早く編み上がります。両極端の太さは、あとにとっておきましょう。とても細い糸(0〜2、日本でいえばおおよそ極細から中細くらい)は目が小さく、編むのに時間がかかって細かい作業になります。Super BulkyやJumbo(超極太やそれ以上の太い糸)は、とても太い針が必要で、かたく扱いにくい編み地になります。
編みやすい素材は?
素材とは、糸が何でできているかのことです。素材によって、手ざわりや伸び具合、どのくらい失敗を許してくれるかが変わります。
ウールとウール混
ウールには、伸びてまた戻る、もともとの伸縮性があります。この伸縮性が、手加減、つまり糸をどのくらい強く、またはゆるく持つかの小さな違いを目立たなくするので、編み地がそろって見えます。ウールは針にもほどよくひっかかるので目が抜け落ちにくく、洗って平らに乾かすと、さらに編み目が整います。
ウールの多くは手洗いが必要です。「スーパーウォッシュ」と表示された糸は、洗濯機で洗えるように加工されています。洗濯表示で確かめましょう。ウールにアクリルやナイロンを混ぜた糸は、ウールの弾力をかなり残しつつ、たいていは手入れが簡単です。ウールがちくちくすると感じる方は、やわらかく細い繊維のメリノウールを試すか、アクリルを選びましょう。
アクリル
アクリルは化学繊維です。手ごろな価格で色数が多く、たいていは洗濯機で洗えるので、練習用の編み地や、頻繁に洗うものに向いています。ウールほどの伸縮性はなく、ブロッキング(仕上がった作品をぬらしたりスチームを当てたりして、形を整えること)への反応もウールとは少し違いますが、なめらかなアクリルなら、覚えるのにまったく問題ありません。
綿
綿は、ほとんど伸びません。手加減の変化がそのまま編み地に表れ、しっかりした糸は、しばらく編んでいると手にかたく感じることがあります。吸水性があって丈夫なので、ふきんには昔から定番の素材ですが、手加減が安定してからのほうが楽しめるでしょう。
あとにとっておきたい素材
シルク、リネン、竹から作られた糸は、滑りやすかったり、伸びがなかったり、糸割れ(針先が糸をよけずに、糸の中に入ってしまうこと)しやすかったりします。美しい編み地になりますが、最初の一歩にいちばん向いている素材とはいえません。
なめらかな糸と、凹凸のある糸
糸をよく見てみましょう。撚り合わせた糸とは、何本かの細い糸を撚り合わせて作られた糸のことです。均一に撚られたなめらかな糸は、くっきりした編み目になり、糸割れもしにくくなります。
編み目が楽に読めるようになるまでは、次のような糸は避けましょう。
- 毛足の長い糸:モヘアなど、細い毛がふんわりと取り巻く糸は、編み目がぼやけて見えます。毛どうしがからみ合うので、まちがいもほどきにくくなります。
- ブークレ:表面が小さなループでおおわれた糸で、ループが針にひっかかり、一目一目の形が見えにくくなります。
- 変わり糸(ファンシーヤーン):まつげのような毛足のある糸やリボン状の糸などは、どこで目が終わり、次の目が始まるのかが、とても見えにくくなります。
- 撚りがとても甘い糸:割れやすかったり、引っ張るとばらけたりします。
明るい色が覚えやすい理由
生成り、淡いグレー、水色、やわらかな黄色など、明るい色か中間くらいの色の単色を選びましょう。一目一目が見えて、段数も数えやすく、落ちた目にもすぐ気づけます。黒や紺のような濃い色は、特に夜の電灯の下では、編み目の構造が見えにくくなります。
少し違う色合いの繊維が混ざった杢(もく)糸なら、問題ありません。数目ごとに色が変わる、はっきりした段染め糸は、編み目が読みにくくなることがあります。
毛糸のラベルの読み方
毛糸玉に巻かれたラベルには、知っておきたいことがほとんどすべて書かれています。次の項目を確かめましょう。
- 太さ:分類名か番号のマーク、またはその両方。日本の毛糸では「並太」のように書かれていることもあります。
- 素材:何でできているか。たいていはパーセントで表示されています。
- 1玉の長さと重さ:1玉に何メートル巻かれているか、何グラムあるか。パターンには必要な糸の量が書かれています。別の糸と比べるときは、同じ太さでも糸によって重さがかなり違うことがあるので、重さではなく長さで比べましょう。
- 参考使用針:合う針のサイズです。日本の毛糸ならたいてい号数で、海外の毛糸ならミリで書かれ、USサイズも併記されていることがよくあります。棒針のサイズ早見表で換算できます。
- 標準ゲージ:10cm四方に入る目数と段数で、たいていは参考使用針で編んだメリヤス編みの値です。各辺に数字が添えられた、小さな格子の図で示されていることもよくあります。イギリスのラベルでは「tension」と書かれていることもあります。
- 洗濯表示:仕上がった作品の洗い方と乾かし方。
- 色名または色番号と、ロット番号。
洗濯表示
衣類のタグについているのと同じ、小さな絵の記号です。
- 洗濯おけのマークは、洗い方を表します。おけの中に手があれば手洗いのみ、数字や点は洗濯の上限温度を表します。
- 三角は、漂白についての表示です。
- 四角は、乾燥についての表示です。四角の中に円があれば、タンブル乾燥についての表示です。
- アイロンは、アイロンがけができるかどうかと、その温度を表します。
- 円だけのものは、クリーニングについての表示です。
どの記号でも、×印がついていれば「してはいけない」という意味です。
ロット:必要な量を一度に買う理由
毛糸は何回かに分けて染められ、染めるたびにロット番号がつけられて、ラベルに印刷されます。同じ色でもロットが違うと、わずかに色が異なることがあります。玉の状態では見分けがつかなくても、仕上がった編み地では、ロットが切り替わったところに帯のような境目がはっきり出てしまいます。
- パターンで、必要な糸の総量を確かめます。
- すべて同じロット番号の玉を選びます。
- 必要な量に自信がなければ、同じロットのものを1玉多めに買います。
- 糸を買い足すことになったときのために、ラベルを1枚、作品と一緒にとっておきます。
初心者が避けたい糸
まとめると、次のような糸は、今はお店の棚に置いておきましょう。
- とても細い糸(0〜2)や、とても太い糸(6と7)
- 毛足の長い糸、ブークレ、まつげのような毛足のある糸などの変わり糸
- とても濃い色や、はっきりした段染め糸
- 綿、リネン、シルク、竹など、伸びのない素材や滑りやすい素材(少なくとも、まったくはじめての作品では)
- ラベルのない糸(太さと素材がすでにわかっている場合を除く)
- ひとつの作品に、ロットの違う玉を使うこと
はじめての毛糸選びチェックリスト
- Medium(4)の太さ(worstedやaran、日本ではおおよそ並太)、またはBulky(5)
- ウール、ウール混、またはアクリル
- なめらかで、撚り合わせた糸
- 明るい単色
- 作品全体に足りる量を、同じロットで
次に学びたいこと
糸が決まったら、棒針のサイズ早見表で合う針を選び、初心者向けの作品からひとつ選びましょう。編み物を始めたばかりの方ははじめての方へから、本や講座はライブラリーでご覧ください。
よくある質問
初心者にはどの太さの毛糸がいいですか?
中くらいの太さ、Craft Yarn Councilの分類で4(worstedやaran)の糸で、日本の毛糸ならおおよそ並太にあたります。Bulky(5、日本ではおおよそ極太)も扱いやすい太さです。どちらも、とても太い針を使わなくても、編み目がはっきり見えます。
初心者には、アクリルとウールのどちらがいいですか?
どちらも良い選択です。ウールは伸縮性があって手加減のむらを許してくれ、アクリルは手ごろで洗いやすいのが長所です。ウールとアクリルの混紡なら、両方の長所の多くを兼ね備えています。
綿の糸は初心者に向いていますか?
綿は、最初の糸としていちばん扱いやすいとはいえません。伸びが少ないので手加減のむらが目立ち、手にかたく感じることもあります。少し慣れてきたら、ふきん作りにぴったりの糸です。
毛糸のラベルにある「ロット」とは何ですか?
ロットとは、同じ回に染められた糸を見分けるための番号です。同じ色でもロットが違うとわずかに色が異なることがあるので、作品全体を編み上げるのに必要な量を、同じロットでそろえて買いましょう。
初心者が避けたほうがいい毛糸はどれですか?
モヘア、ブークレ、まつげのような毛足のある糸などの、毛足の長い糸や凹凸のある糸、変わり糸は避けましょう。とても濃い色、とても細い糸、滑りやすい素材や伸びのない素材も同様です。編み目が見えにくく、まちがいを直しにくくなります。
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